こんにちは、札幌に移住してから15年が経過しました、kitlanです。
一年ほど前から一軒家の購入を購入を検討しているのですが、選択肢はマンション、中古住宅・・・と広がるばかりで収集がつきません。
また、先の震災で、このまま流れにのって新築住宅を購入して良いのかという根本的な疑問までもが浮上してきてしまいました。
今後少子高齢化が進む日本においては、新築一戸建てはリスク資産でしかなく、価値が目減りしていくのは目に見えてる事実です。
とはいえ自分ももう若くはありませんので、それなりに家を構えたいと思っています。
夫婦のこと、子供のことを考えると、一戸建てに住みたい、自分だけの空間が欲しいと思うのはサラリーマン心です。
ただ言うまでもなく、住宅購入は一生で一番大きな買い物ですので、慎重に検討を続けたいと思っています。今回の記事では中古住宅を購入する際の注意点をつらつらと書き留めたいと思います。なお、今回の記事に関しては特に二冊の書籍を参考にしています。
安易に不動産屋さんに飛び込むのではなく、まずは書籍でしっかり基礎を固めることをおすすめしますね。
ビジネス書形式なのでかなり読みやすかったですね。
住んでから欠陥住宅だった!という結果にならないために!中古住宅を買う前に抑えておきたいポイントをまとめました
北海道に限らず、中古住宅を購入する際の注意点です。家は一生で一番大きな買い物、かつ借金が絡みますので、妥協することなく調べ尽くすべきだと思います。本来味方であるはずのない住宅営業マンさんも、自分の専門性が通用しない分野に関しては味方にしか見えなくなってしまいます。しっかり勉強してから住宅購入に臨みましょう。
瑕疵保険に入ると良い
そもそも瑕疵とは何でしょうか。sumoからの引用です。
瑕疵(かし)とは、通常想定される品質や性能を有していないこと。住宅の場合は、住宅のなかでも特に重要な構造上の主要部分や雨水漏れ防止部分などに重大な欠陥があることを意味する。既存の住宅、つまり中古住宅の瑕疵について、検査と保証をするのが「既存住宅瑕疵保険」だ。
通常、中古住宅の取引は個人間が9割を占めるそうです。そのため、一般的に住宅に関する保証は最長で6カ月となります。
それに対して不動産会社が売り主の場合は2年程度の保証です。売り主が不動産会社の場合は購入の際に消費税がかかってしまうというデメリットはありますが、欠陥住宅を購入するリスクを減らすという点では不動産会社が売り主の方が安心しますね。
逆を言えば、個人から買った家を買った場合、6カ月を過ぎてから不具合を発見してももうアウトというわけです。自腹で修理です。
そこで登場してくるのが瑕疵保険です。瑕疵保険に入っていればこれが1年~5年の間は保障されます。
保証金額は500万円~1000万円ほどです。
また、瑕疵保険に入っている物件は住宅ローン減税の対象物件にもなります。
こうした点を考えると、瑕疵保険に入っている物件を購入する、もしくは購入後に瑕疵保険に入ることが必須、またはかなり有利になるようです。
リフォーム会社は複数見積もりを行う
中古住宅に関して、①リフォーム済みの物件を購入する(価格は2~3割上昇)というパターンと、②購入してからリフォームを行う、という二つのパターンがあります。
ただし後者に関して、リフォーム会社はその会社によって実力は本当に様々です。価格の安さだけで決定すると失敗してしまうケースが多いようです。
リフォーム会社は複数の見積もりを行うことが無難です。ただしどんぶり案件はあまり意味がありません。何となくのイメージしかない場合はリフォームを行わないか、新築の建売住宅を購入した方が無難でしょう。最低限、自分が将来住む居住空間のイメージくらいは持ち合わせていないと、中古住宅購入×リフォームはおろか、注文住宅購入さえ無意味なものとなるでしょう。
実際に購入候補の土地は歩くと良い
色々なサイトや書籍にも書いていますが、面倒でも4パターンは歩いた方が良いと私も思います。
自宅から子供が通う小学校まで歩く。
自宅から最寄り駅、最寄りスーパーまで歩く。
これを時間帯を分けて朝、昼、夜、休日の4パターンで行う。「実際に住んでいる自分」を想定して行う。
しんどいけど長く住むんだからそのくらいやって当然ですね。
その際近所の人に話しかけてみるというのもなんとなく雰囲気が伝わって良いとのことでした。
また、今回北海道では地震が起きてしまったので、防災マップを閲覧するのも必須となりそうです。自分の自治体ではハザードマップといって、その土地の安全具合が公開されているはずです。
中古住宅の場合は補償・アフターサービスがない不動産会社が多い
これは受け入れるべきか。もしくは多少価格が上がってもやむなしとして、補償、アフターサービス付きの不動産会社を選ぶべきか。自分としてはかなり悩みどころですが、現在の不動産会社の多くは「物件を紹介すること」が主な業務になっている現状があるようです。
中古物件の価値は築年数だけで判断されていることが多い
築年数だけというのがミソです。良質な住宅うんぬんではなく、築年数が尺度になっているのが現状です。
木造は10年で半額、20年で価値ゼロ。というような不動産業界の慣例があるそうです。
つまり、築20年以上物件×インスペクションというのが、良質でお得な不動産物件を見つける鍵になりそうですね。
ちなみに新築は、住んだ瞬間から価値が2割下がると言われているそうです。
不動産会社の事情について
不動産会社の仲介手数料は上限が決められている。
具体的には、物件価格×3%弱+6万円。
2000万円の家の商談を成立させると、2000×0.03+60000=66万円が不動産会社に入る利益です。
2500万円の家の商談を成立させた場合は、同様の式で75万円+6万円=81万円です。差額は15万円です。
一見、できるだけ高く売った方が利益になりそうですが、実はそうではありません。
最も不動産会社にとって利益となるのは、売り主、買主、どちらもから仲介手数料を受け取ることです。買主からだけもらった場合は(2000万円の物件では)66万円ですが、これに売り主からも手数料を受け取ると、132万円に利益が膨れ上がりますね。
つまり、
不動産会社は「できるだけ高く売りたい」わけではないということ。
一番の優先順位は、早めに売って、売り主と買主の両方から仲介手数料をもらうこと。その意味で不動産会社は売り主よりでも、買主よりでもない存在と言えます。
このことをよく理解してから商談に臨むと良いと思われます。
土地の価格は「路線価」から調べられる
土地の価格は実は調べることができます。
路線価÷8割×110% が適正路線価となります。税務署や国税庁のホームページで確認できます。
坪単価は路線価とはまた別の話で、日照状況や目の前の道路の道幅が考慮に入れられている。その意味で、まぁ市場原理と同じで需要と供給の関係を意識してテキトーに決められていると言えるそうです。
ということで私たちが信じるべきは「路線価」となります。
路線価に対してやたらと安い場合は、日照状況や周辺環境など、必ず何かあるということです。場所に関しては「掘り出し物」は存在しないと考えて良いでしょう。
中古住宅を個人から買う場合は消費税はゼロ
中古住宅を個人から購入する場合は消費税はかかりません。
意外と知られていない事実です。
ですから、新築注文住宅の「増税前の今が買い時!」の文言に引きずられて中古住宅も慌てて買わないようにしないといけません。
物件価格以外の諸費用は200万円程度とみておくとよい
仲介手数料100万円+その他もろもろということですね。
お金に関しては上限を設けていないと、あれよあれよとグレードアップしてしまいますので、諸費用も計算して予算を立てると良いでしょう。
中古住宅を買う場合は不動産会社に建ぺい率について尋ねておく
建ぺい率オーバーの住宅を購入する場合は住宅ローン控除は受けられなくなります。
また、売却の際にも売り物になりません。
住宅ローンの保証料は払う場合とそうでない場合がある
住宅ローンの保証料を払わなくても良いローンもあります。フラット35がそれです。また、通常の場合でも金利に0.2を上乗せすれば、最初に一括で払う必要はなくなります。後者、つまり一括で払わない方法は、どのような人に向いているのでしょうか。
結論を言えば、
保証料にあたる現金を、借入額の0,2%以上で運用できる自信がある人にはおすすめです。(3000万円借りたとすると0.2%といえば年6万円ですね)。一括で払う保証料は、3000万円借りたとして安くて65万円弱です。65万円を使って年6万円、即ち10パーセント弱の運用をできる人はどのくらいいるでしょうか。一括の方がおすすめですね。
また、借り換えの際は、保証料は全て返ってくるように思われがちですが、実際はそうではありません。借り入れをしてから5年以内なら50%戻る、10年だと戻らない、くらいの慣例があるそうですいつかローンを借り替える可能性がある人は金利上乗せ型も良いかもしれません。ここは判断が難しいところです。
火災保険への加入は必須だが、水災に関する特約は外せることもある
山の上に家を建てるとかならいらないのでは。札幌の場合はどうなんだろう。
今回の震災に関しては液状化減少が清田区、札幌市東区でありましたが、こちらは水災とは別物になるはずです。
不動産会社の選び方
- アフターサービスがあるか。
- 中古住宅を扱った経験があるか。
- 顧客の希望する手段で連絡してくるか。
- 瑕疵保険について分かっているか。
- インスペクションに前向きか。
- ローンをめいいっぱい組ませようとして来たら営業優先の人
素人の僕でもこの程度の情報を仕入れることができたわけだから、プロである不動産会社にはさらに高いレベルを要求したいですね。試しに営業マンさんに「住宅インスペクションってどう思う?」と不意打ちをしてみましょう。
「は?」という顔をすればもう完全に売ることしか考えていないのがバレてしまいますし、不意打ちの場合は本音を出さざるを得ないので、有効だと思いますよ。
情報に関しては地域の不動産会社の方が有利?
保証に関しては大手の方が有利と言われています。情報に関してはやはり地域密着系が強いらしいです。
売り急いでいる物件は価格交渉しやすい
物件の売却はストレスがたまる作業なので、売り急ぎの物件はある程度の妥協がでてくるとのことです。投資用の物件ではなく、実際に住んでいる物件ならなおさらのはずですね。
「解体費用」の視点を忘れずに。価格交渉の可能性も視野に入れておく
価格交渉のベストなタイミングは購入申し込み書を提出する際。「引き渡しまでにクリーングを終えてほしい」「測量を終えてほしい」などの要望も忘れずに。本気っぷりが売り主に伝わると良いようですなお、この際、住宅ローンの事前審査を通しておくと価格交渉はしやすくなるそうです。そりゃそうですよね、その方がガンガン本気っぷりが伝わりますから。
中古住宅では住宅ローン減税の額が異なるので注意
住宅ローン減税について僕は一律400万円(最大)と思い込んでいましたが、全然そんなことはありませんね。
- 新築の場合は最大40万円×10年=400万円
- 中古住宅の場合は最大20万円×10年=200万円
これが正しい答えでした。
200万円の差が出てくる。これは中古住宅の場合は消費税がかからないからです。
3000万円の住宅にかかる消費膳は、8%なら240万円。10%なら300万円。住宅ローン減税枠を全て使えるとは限らないからまぁ妥当な条件かもしれません。一応下記はルールの引用です。
新築と同じく必要な条件
中古住宅で必要な条件
となっています。つまり、木造なら築20年以内、鉄筋コンクリートなどの耐火建築物では築25年以内の中古住宅である必要があるということなのです。もしくは既存住宅売買瑕疵(かし)保険に加入していることや、一定の耐震基準を満たす証明が必要になるのです。
こんな条件になっています。減税額200万円のためにどこまで調べ、かつ場合にょってはお金を払って条件を満たさせるか、がカギですね。
住まい給付金は条件を満たせばしっかりもらえる
条件は下記です。
「すまい給付金」の適用のためにも条件があります。それは売買時に第三者の検査を受けて、一定の品質が確保された住宅ということです。詳しく言うと
売買時等の検査
売買時等に第三者の現場検査をうけ現行の耐震基準及び一定の品質が確認された以下の1~3のいずれかに該当する住宅
ただしこれらのケースは自分で申請しなければいけないので、やはり住宅購入には知識が必要ですね。
まとめ:中古住宅の購入は新築一戸建ての数倍知識と労力がかかります。購入に際して努力と学ぶ姿勢が必要です
インターネットで検索をすると分かりますが、一見中古住宅は新築住宅に比べるとかなり割安に見えます。札幌の場合ですと、新築で4000万円くらいの物件が3200万円くらいで出ています。ほいほいと飛びつきたくなってしまいます。
ですが、安い物件にはそれなりの理由があります。路線価に照らし合わせ、実際に歩き回って近隣環境をチェックする。その後は営業マンさんと対等に近い立場で交渉を繰り返す。購入後にトラブルにならないように保険もじっくり検討する。
ここまで努力をしなければ良質な中古住宅にはたどり着けません。
人生、努力せずに幸せになるのは難しいことです。自分の人生を「運」という自分ではどうにもできないものに授けるのはもはやギャンブルですよね。思考放棄してそうしたくなる気持ちは重々分かりますが、結局後悔するのは自分と家族です。
そうならないためには購入意志決定権を持つ人が地に足をつけて行動することが大切ですね。
こんな記事も書いています
札幌で一軒家購入を考えていたのですが、季節が冬となり、見えてなかったデメリットがたくさん見えてきてしまいました。その時の記事です。
感想など
はじめは新築一戸建てにあこがれていた私も、現在は中古住宅に惹かれつつあります。とはいえ中古住宅はなかなか選別が難しそうです。お値段との相談はもちろんですが、焦らずにじっくりと検討していきたいものです。
中古住宅と平行して、相変わらず新築住宅の見学会に行ったり資料請求も行っています。できる限りのベストは尽くして購入に臨みたいですね。資料請求は手っ取り早くインターネットからまとめサイトを利用すると便利だと気づきました。
いきなり見学会に行くと高確率でカモにされますので、知識武装がおすすめです。あと、資料請求サイトも山ほどありますから、とりあえず大手が入っているサイトを利用し、相場感を掴むことが大事かと思います。