引用元:ウロボロス 警察ヲ裁クハ我ニアリ コミック 1-24巻セット (BUNCH COMICS)
ドラマ化もされた作品『ウロボロス』を全巻一気読みしてました。
「生田斗真も小栗旬も原作キャラに合ってて面白い」という感想を良く耳にしていたので、「そんならまずは原作だ!」どうせ無料公開されているし。って感じで気軽な感じで試してみました。
まぁ、自分的に絵があり。っていうのも大きな理由の一つだったんですが。
結論を言えば、30半ばのおっさんでもかなり楽しめる内容でした。
推理小説ほどの重厚な伏線はないが、漫画にしては伏線はある。それでいて漫画ならではのリズムがあるのでテンポが良い。
全24巻でしたが2週間ほどであっという間に読み終えてしまいました。
感想はずばり「あり」です。
*ここから先はネタバレも含むのでご注意ください。
出てくる犯罪者が警察か復讐者ばかりでなんとも。。
犯行に及ぶ人物が高確率で警察官や、警察に恨みがある人物ってのはちょっと笑えます。ただ正直、これを読むと警察という組織が怖くなりますね。ここまで腐敗しきっているんかい!って感じで。冤罪あり、賄賂あり、粛清あり・・・。巨大な組織の裏ってこんなにも黒いのか。。って強烈な嫌悪感を抱いてしまいます。
で、それをダブル主人公の竜崎イクオと段野竜哉が解決していくっていう流れなんです。が!
主人公のである竜崎イクオの方が、警察の身分でありながら、結構な頻度で殺してしまうんです。
これ、少年漫画的には完全NGな展開です。でもそこは青年漫画なのでありなんでしょうね。
なんてことを考えながら読んでいったら、終盤には主人公のこの行為そのものも伏線になっていたことに気が付くわけです。これには作者にやられた―!って感じで、素直に敬服しました。おもしろい。
ラスボスが誰か最後まで分からない
組織の犯罪を裁く系の物語ですから、ラスボスは必ずいてほしいもの。漫画の場合、ラスボスは圧倒的強者。もしくは最後まで分からない、と相場は決まっていますが、この作品は完全に後者です。ただ、一般的な作品と違うのは、あからさまなミスリード誘導があること。それでいて、ミスリード見え見えなんだけど、そいつもそれなりに悪役として描かれていること。
例えて言えば、コナンのアガサ博士がすっげー悪役風に書かれていて、さもラスボス風に書かれていて、でも実はやっぱりいいやつなんだろーなー。それでやっぱりラスボスは他にいた、ってな感じです。
たぶん。。そんな感じです。
いずれにせよ、ラスボスが誰になるのかはかなりワクワクさせられますから、物語の後半は特に一気読みしてしちゃいますよ。
「正しさ」とは何か、「正義」とは何かをそれなりに考えさせられる
主人公たちの復讐劇のお話かと思いきや、物語の終盤ではそれなりに深い展開、つまり、「正しさ」とは何なのかを結構立ち止まって考えさせられてしまいます。
「復讐が復讐を生む」とか、結構ありがちな展開なんですが、この作品は良い意味でそのパターンは裏切ってくれます。
曖昧に、読者に考えさせて終わり―!って感じじゃなくて、ヒロインの美月ちゃんの口からはっきり「正しさ」についての名言が出てきたあたりはブルッちゃいましたね。
ただ、自分個人としては全く納得できませんでしたけど。
つい先日もどこぞの元議員が、MDMAを所持していたタレントについて「芸能界は正しくなきゃだめなんだよ」って言っていたそうですが、芸能界のイメージって少なくとも自分にとっては「正しくない」です。
というか、「正しさ」については私は基本的に「相対的である」という立場。
本作品では「正しさ」は絶対的なもの。という立場。
賛否は分かれますが、主張がすっきりしていて、読む価値があります。
結論:『ウロボロス』を読むべきはこんな人
ウロボロス、30代半ばのおっさん(小説3割、漫画7割の比率で読書をしているおっさん)の価値観でいけば、「あり」な作品です。読むべき人はこんな人です。
- 軽めの推理小説が好きな人
- ドキドキハラハラしたい人
- 暇つぶしに読みたい人
- 善悪や「正しさ」について真剣に考えてみたい人
- 読み終わって、すっきりしたい人
- ドラマ版と比較したい人
ちなみに私はホラー映画は絶対にみません。終わりがすっきりしなすぎで、後味が悪くなるからです。その点、この作品は後味は悪くありません。
無料版は「漫画ZERO」というサイトや「スキマ」というサイトで読むことができます。
以上です。