前回の記事では、ノーアポで土地屋さんを訪れると実際にどうなるかというお話を書きました。何となく気分で訪れたのですが、実はもう一つ目的がありました。
札幌で一戸建てを建てるにあたって、住宅メーカーの数があまりにも多すぎます。
そこで、プロの目線からおすすめの住宅メーカーを教えてもらおうと考えていたのです。
札幌に限らず、全国的にハウスメーカーは乱立していますので、同様な悩みを抱えている方は多いはずです。
結論から言えば土地屋さんはお勧めのハウスメーカーを教えてくれませんでした。
「中立な立場にある土地屋さんです」と広告を謳っていただけに残念です。
土地屋さんにおすすめのハウスメーカーを尋ねましたが何度も上手にかわされたので諦めました
ハウスメーカーが乱立しすぎていてどこがいいのかさっぱり分かりませんでした
私が札幌での家づくりを検討し始めたのは実は3年以上前なのですが、実は未だにさほど状況は改善していません。
始めは住宅展示場のモデルルームを回って一戸建てに対しての夢を膨らませ、その後は地域のローコスト住宅の案内に出向き、その間に住宅ローンの仕組みや不動産賃貸の状況などできることは色々やっています。
ですが一番難航しているのが「どこの住宅メーカーを選ぶか」という問題です。
思考停止さえさせてしまえば、「寄らば大樹の陰」ということで大手ハウスメーカーへの依頼が無難です。
ですがこのことは逆に、大手ハウスメーカーの建築条件付き土地を購入し、かつ広告宣伝費までも支払って家を買う、ということを意味します。
はじめはそれでも安心が買えるならば良いと思っていたのですが、雑誌を読むと大手だから安心というわけではないということが分かりました。
また、最近では大和ハウスのマンションに関連するニュースで大手ハウスメーカーへの信頼もかなり危ぶまれています。
思考停止させてしまえば何だか負けな気がしてしうんですよね。
そこで思い立ったのが中立の立場の「土地屋さん」です。
というのも、土地屋さんの収益源は「土地」に対する紹介手数料です。ですから土地さえ売れてしまえばあとはどの住宅メーカーを紹介しようが関係ないはず。住宅メーカーさんからマージンをもらってさえいなければのお話しですが・・・。
「おすすめの住宅メーカーはどこでしょうか」と尋ねても・・・
土地屋さんには率直に、自分が住宅メーカーの選別に迷っていることを伝えました。
「調べれば調べるほど分からなくなってくるんです・・・おすすめはありますか。」
話をしながらチラッとデスクの端の方を見てみると、それなりにたくさんの住宅メーカーの資料が置いてありました。
どんな答えが返ってくるかと期待していたのですが、返ってきた答えの主旨は至ってシンプルです。
「住宅のレベルや建てたい家のタイプによって変わってきますね。」
と、こんな趣旨です。これではわざわざ土地屋さんまで足を運んだ意味がありません。もう少し頑張ってもらいたいところです。
そこで、質問をもう少し掘り下げてみました。
「大手メーカーに広告費を払いたくないから、大手は除外してほしい。」
ここまでストレートに伝えてみました。
大手メーカーの建てる家には広告費が含まれているけどそれは悪いことではない?
大手メーカーの建築費に広告宣伝費などのコストが上乗せされているのは周知の事実です。一般ユーザーとしては自分の家の値段ではなく、広告費まで負担するというのは何だか納得いかないものではないでしょうか。ですがハウスメーカーと言えばこんなケースがほとんどだと思います。
さて、土地屋さんの営業マンさんがどのような応対をしてくれるかを楽しみにしていましたが、やはり予想の範疇の答えが返ってきてしまいました。主旨をまとめると下のような感じです。
- たしかに広告費が含まれているのは事実
- 安心料と考えればそれでも割安
- 大手ハウスメーカーであれば、ずっと長い付き合いが可能である
うーん。どれも大手ハウスメーカーで聞いたような文言です。そういえば元某ハウスメーカーの営業マンだったとも言っていましたね・・・
個人的には今一つ納得できませんでした。ちらっと見えるパンフレットも心なしか大手住宅メーカーや地域大手ローコスト住宅のものに見えてきます・・・。
住宅メーカーとは長い付き合いをしていないと本当に困るのか
今回のケースもそうですが、住宅メーカーさんも土地屋さんも、アフターサービスの充実具合を強調してきますよね。
ここからは私個人の考えですが、住宅メーカーと長い付き合いをするというのは一見聞こえが良いですが、実は不要なシステムだと思っています。
全く同じケースが車に当てはまりますが、別に正規ディーラーでなくても、ある程度技術のある街の板金屋さんであれば、車の修理も喜んでやってくれます。
ディーラーに頼んだ場合はたしかに安心感はありますが、修理一つとっても街の板金屋さんの料金の1.5倍ほどの料金ですし、その他にもあれこれとオプションの提案がついてきます。これをお断りするだけでも結構大変な苦労ですよね。
住宅についても同じことが言えるのではないでしょうか。
大手ハウスメーカーと言っても、実際に建築しているのは地域の工務店ですよね。
その工務店がリフォームをお断りするものなのでしょうか。よほど住宅メーカーとの縁が深くない限りは、リフォームのお願いをすれば、ビジネスチャンスだと思って喜んでやってくれるはず。ただ、業界の慣例として、大手ハウスメーカーのリフォームを横取り形式で行った場合には、大手から干される・・・などの慣例があるとしたら話は別ですが・・・。そのあたりはもう少し業界に詳しい人に尋ねないと分からなそうです。
複雑なは工法の家であればリフォームや修理は断られる
もちろん、建築士さんが建てたような家であれば、そこらの工務店さんでは技術が追いつかないため、お断りをされる可能性はあります。
ですが、大手ハウスメーカーが建てる住宅というのは結局のところ部分的な注文住宅であり、そこまで特殊な工法では作られていないはずです。
ですから、大手メーカーとの長期的なお付き合いは不要だというのが私個人の考えです。それであれば、中堅住宅メーカーやこだわりの強い住宅メーカーに、広告費部分を極力おさえ、全私財をなげうってみたいというのが私の考えです。
こんな考えが強いものですから、土地屋さんにはそこそこお礼を言って、お店を後にしました。
結局は自ら額に汗して情報収集するしか方法はありません
土地屋さんに足を運んでみてそれなりに収穫はありました。
ですが最も大きな収穫は、自分で行動して情報収集をしなければ何もはじまらないということを体感したことです。
土地屋さんを利用した後も情報収取は続けていますが、特に下記の三点はお勧めです。
家を買うときに「お金で損したくない人」
千日太郎さんの著書、「家を買うときにお金で損したくない人」が読む本。こちらは住宅ローンの本質と家を買うことの本質がすいすい頭に入ってきます。もうかれこれ3回ほど読んでみましたが読めば読むほど味がでます。「家を買うというのは35年=420回支払を滞らせないゲームだ」なんて言うのは実に本質をついていて、著者ならではの視点であり、かなり気に入っているフレーズです。
北海道の家づくりの現場から
リンクを探してみましたが見つからなかったので書籍名だけご紹介します。定期的に北海道限定でコンビニや書店で販売しているようです。この著書の何が良いかと言えば、「アース21」という街の優良工務店の情報が載っていることです。北海道の工務店について詳しく知りたい場合には、ぜひ購入すると良い一冊です。フリマやヤフオクではまだまだ在庫があるような感じでした。
タウンライフ家づくり
こちらは書籍ではなくインターネットのサイトです。何が良いかと言えばこちらについてはかなり多くの工務店が登録されているという点です。
面白いことに中堅工務店だけでなく大手ハウスメーカーも登録されているので、同じような間取りで値段を比較してみると面白いかもしれません。
また、間取りと料金を工務店の方から提案してくれるので、相場を判断できるというのも便利な点です。
相場観は自分の目を慣らしていくしかありませんが、こちらのサイトでもらった見積もり書と、住みたい地域の新築一戸建て建売をSUMO等で日々検索していくと、これまた面白い気づきがあるのでおすすめです。
記録として残しておきますが、2019年の北海道札幌市での郊外での注文住宅の相場は、150㎡の土地に対し、大手住宅メーカーで4000万~4500万円、地元工務店で3500万円前後です。
ちなみに私が狙っている駅近の物件に関しては、そもそも150㎡の土地自体が出てきません。110㎡前後の建売で3500万円程度という印象です。
このあたりを加味して比較すると家づくりの偏差値が上がっていく感じがして面白いです。タウンライフ家づくりは工務店比較に便利なサイトです。
あとがき
家づくりのヒントをもらおうと不動産屋さんへ突撃してみましたが、大きな収穫もなく、やむなく撃沈してしまいました。札幌市において良い土地を見つけ、良いハウスメーカーを見つけるのは本当に難しいです。
まだまだ賃貸生活が続きそうですが、気長に家づくりをしていきたいと思います。
大好きな札幌に建てる家だからこそ妥協はしたくないという今日この頃です。
こんな記事も書いています。
一軒家を建てるにはそれなりにリスクもありますね。
初めてローコスト住宅の説明会を訪れた感想です。あの頃はまだ住宅ローンの仕組みについてもあまりよく分かっていませんでした。